家づくりの外壁選びとランニングコスト
2023/11/15

外壁の塗り替えなどを行わずに放置しておくと、つなぎ目のシーリング部分に隙間が出来てヒビ割れし、水が浸入します。
つまり外壁から雨漏りして家の躯体を劣化させる恐れがあります。 外壁内部は防水処理がしてあるためすぐに構造に達することはありませんが、気が付かないうちに進行して大きな被害になることがあります。 そうなってしまうと内部の浸水で影響を受けてしまった内部の躯体部分の補修、外壁の貼り替えをするしかなくなってしまいます。
外壁に貼る板状の仕上げ材のことで、サイディングボードとも呼ばれます。 様々な材質のものがありますが、住宅で使われているのは主に窯業系・金属系・木質系です。 窯業系サイディングはセメントに繊維質を混ぜて板状に形成したもの。 多彩なデザインやカラーがあり価格も比較的安いため、現在の住宅外壁材の主流となっていますが、つなぎ目のシーリング部分の劣化が弱点です。 ※シーリング材料は価格によって性能差が大きいです。
金属サイディングの一種でステンレスやアルミニウムなどの金属板を加工してつくられます。 金属特有のスタイリッシュなデザイン性が魅力で、モダンなデザインを好む人におすすめです。 また断熱性が高く一般的な外壁材に比べて軽いため、建物への負担が少ないこともメリットです。価格も比較的安いですが、沿岸部に近いところだと錆のリスクが高まります。 
つなぎ目がなくコテで仕上げるので、既製品にはないオリジナルな色や風合いを楽しめます。 価格が高めですので、上記の材料と比べると選ばれることが少ないです。 また、上に塗るコーティングは10年~25年程度で再施工の必要があります。 ※コーティングは雨垂れなどの汚れを防ぐ効果もあり、美しく長持ちさせるために必要です。 

KMEWカタログより
上図は外壁メーカーのKMEWが試算したイニシャルコスト(初期費用)とランニングコストを表した図です。
家の仕様によって実際の価格とは異なりますが、外壁にかかるコストを理解するのにとてもわかり易いので今回はこちらの図でお話させていただきます。 一番左に記載されている外壁「光セラ+スーパーKMEWシール40」はもっとも高額かつ高耐久な外壁で、新築時のコストは約363万円となっています。 しかし、メンテナンスは40年後となるため、30年間のメンテナンスコストはほとんど掛かりません。 ※劣化の程度は建築地や日当たりなどでも変わるので一概に40年必ず持つとは限りません。 一方、一番右の「親水コート+スーパーKMEWシール30」は新築時のコストは264万円となっており、「光セラ」に比べて約99万円安く済みます。 しかし、親水セラの外壁“10年毎に塗り替え”が必要になってきます。 30年後を比較すると「光セラ+スーパーKMEWシール40」は合計385万円、「親水コート+スーパーKMEWシール30」は合計474万円となり、“安い外壁”にしたつもりが将来的には逆転してします。